読了メモ

チェット・リチャード著『OODAループ』読了メモ(^-^)

「働き方改革」をハード面(設備、制度、仕組)で整備しようと考えるほど、導入過程、運用過程で抜け落ちてる点に気づき、軌道修正せざるを得ない場面が多い。意思決定に相応しいフレームワークはないか?

出来れば「自己組織化」「自発性」と言う言葉ではなく、ミッション達成に求められる厳しさ・反復訓練の裏打ち、戦場要素も含めた理論はないか?

もしかしたら軍隊組織の運営の中にそのヒントがあるかもしれないと思って手に取ったのがこの本(^-^)

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▪️「PDCAサイクル」に代わる、新たな意思決定のフレームワーク

「PDCAサイクル」に代わる、新たな意思決定のフレームワークとして期待されている「OODA(ウーダ)ループ」。米海兵隊で採用され、現代戦において数多くの勝利に貢献したこの理論が、急激な環境の変化にさらされているビジネス界からいま注目を浴びている。

▪️戦場で生まれた理論「OODAループ」

OODAループを提唱したのは、いまは亡き軍事戦略家ジョン・R・ボイド。「40秒のボイド」(当時、アメリカ軍は朝鮮戦争を戦っており、入隊間も無いボイドも朝鮮に派遣された。彼はここでF-86の操縦士として、22回の実戦出撃を経験した。また、終戦後には、アメリカ空軍戦闘機兵器学校(FWS)において、F-100の教官を務め、「不利な位置から開始して、40秒以内に位置を逆転させる(後方の攻撃位置を占位する)」との賭けをたびたび行ない、6年間/3000時間におよぶ戦闘訓練で無敗を誇った。このことから、戦闘機教官としてのボイドには、40秒ボイドという渾名が進呈された。)と呼ばれるほど凄腕のパイロットだったボイドは、空中戦闘において電光石火の勝利を重ねてきた経験をもとに、わずかな時間で意思決定を行う戦闘哲学を著した。そのひとつが「OODAループ」である。

OODAループは「観察(Observation)、情勢判断(Orient)、意思決定(Decision)、行動(Act)」の学習ループで構成される。

▪️電撃戦 -少人数で勝利を掴むには-

1940年の第2次世界大戦の西部戦線において、量的・質的に劣っていたドイツ軍は、「電撃戦」によって勝利を収めた。

電撃戦理論の創始者の一人であるフラーは、電撃戦とは「機動力を心理的武器として採用すること」であると述べている。ボイドは「少人数で勝つための原則」、すなわち電撃戦の原則がドイツ軍の勝利の基礎を形成したこと、またその本質は組織文化的なものにあるという結論を導き出した。

「敵に先んずる1分が勝利を呼び込む」という言葉に代表されるように、電撃戦の原則はスピードの重視である。不確実性の高い状況に直面するなかで、敵側が有効な意思決定を行えなくなるような攻撃を実施しつつ、味方側の意思決定能力を向上させるのだ。

▪️スピードが武器

軍事戦略は「強いストレスと不確実性のなか、組織のメンバーが協調して意思決定を行う」ものであり、この考え方はビジネスにも転用できる。

新しい理論のように思える「OODAループ」だが、日本のビジネスパーソンにとっては非常になじみ深いというのも、ボイドがこの理論の着想を得たヒントにある。東西冷戦の終結後、競争や対立の性質を明らかにするために彼が学んだのは、孫子の兵法、日本の剣の達人が記した戦術書、そしてトヨタ生産システムだった。

組織に属するメンバーの相互信頼を醸成し、「暗黙の了解」によって瞬時の情勢判断と行動を可能にするOODAループは、「暗黙知の明文化」を是とする従来のビジネス理論とは真逆をいくものである。

▪️勝利に導くものとは?

数や物量に劣る組織が勝利を収めるためには、スピードを重視する「電撃戦」の考え方が有効で、環境変化に即座に対応する機動力(アジリティ)が、競争優位の源泉となる。

アジリティとは「外部の世界で起こっている、目まぐるしい環境変化に即座に対応し、自らの方向性や、進むべき道を変化させることができる能力」を意味している。

アジリティ適用のポイントは、曖昧さや混乱、急激な変化などが生じている時に、自らの方向性を現実世界に適合させ続けるということにある。

▪️電撃戦を成功させる4つの属性

「不意を突いて混乱を生み出す行動」こそが、電撃戦という戦略の基本。

電撃戦を実践する者は、命令へ盲目的に服従するのではなく、創造性や知性、士気などを自由に駆使しなければならない。この種の組織文化は、主にドイツで次第に発達していった。ボイドはドイツ軍が電撃戦に成功した要因を分析し、以下の4つの属性を抽出した。そしてこれらを「オペレーション成功のための組織文化」と呼んだ。

(1)相互信頼:一体感、結束力
(2)皮膚感覚:複雑で潜在的に混沌とした状況に対する直感的な感覚
(3)リーダーシップ契約:現場の指導性を高めるミッション
(4)焦点と方向性:オペレーションを完遂するためのぶれない軸

これらの属性は、混乱し、危機にさらされた環境下で働く人々に、優位性を与えるものだ。

▪️「OODAループ」とは

ボイドは数多くの戦闘を分析し、「OODAループ」を理論化し統合した。

・観察 (Observe):環境を観察しなければならない。環境には自分自身や敵、あるいはその物理的・心理的・精神的状態、潜在的な敵味方が含まれる。

・情勢判断 (Orient):観察したものすべてが何を意味するのかについて調整判断し、自らを方向付けなければならない。

・意思決定 (Decide):ある種の決定を行わなければならない。

・行動 (Act):その決定を実行に移さなければならない。

注意するべき点は、OODAループには「意思決定」を経ずに「情勢判断」から「行動」に直接つなげる「暗黙の誘導・統制」という経路があることだ。これは暗黙的コミュニケーションによって、OODAのループを瞬時に回すことが理想ということを示している。

暗黙的コミュニケーションとは、以心伝心の意思疎通を意味する。同じ釜の飯を食べ、共通の体験を積み重ねることで、相互信頼を醸成し、阿吽の呼吸ができる段階にまで至る。これは従来、日本企業が得意としてきたことだ。

▪️相互信頼を尊重する

OODAループの高速運用を促進するために欠かせない要素は、一体感、結束力、統一性といった言葉に表される「相互信頼」である。

人々は信頼感のある雰囲気のなかでこそ、自発的に動こうとする傾向にある。上司からの許可を待つことなく、自発的に探索し実行することは、OODAループを高速で回すうえでは重要なことだ。相互信頼は、共通の体験から生み出される。ともに働いたグループは、共通の価値観を形成し、暗黙的で迅速なコミュニケーションを可能にする。これこそが軍隊の初期入隊訓練、すなわちブートキャンプで醸成しようとしているものである。

とてもしっくりくる理論(^-^)

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