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フレデリック・ラルー著 『ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』読了メモ(^-^)

進化型(ティール)組織。人々の可能性をもっと引き出す組織とはどんな組織なのか。どうすればそれが実現できるのか。
表紙はタイトルのティール(青緑)の優しい色合い。
パイオニア組織の事例と実例から抽出された、組織構造や慣例、文化に関する骨太理論が展開されていく。

人類の意識の発達とともに、新しい組織モデル、進化型(ティール)組織が登場している。進化型組織は、人々がエゴから自己を切り離し、内的な判断基準に従っているという点で、既存の組織モデルと大きく異なっている。

思想家ケン・ウィルバーが提唱したインテグラル理論では、意識の発達段階をそれぞれ色で識別している。組織モデルを色で表現した以下例。

・衝動型(レッド)組織:原初の組織形態。集団を統率するために、組織のトップは暴力を行使し、恐怖により支配する。短期志向でマフィアの世界に多く見られる。

・順応型(アンバー)組織:部族社会から国家、文明、官僚制の時代への移行とともに現れた。規則や規範によるピラミッド型の階層構造で、役割も固定され、安定が重視される。軍隊、行政組織によく見られる。

・達成型(オレンジ)組織:目標は競争に勝つことであり、利益を獲得するためにイノベーションをめざす。実力主義を特徴とし、目標達成のための意思決定は上層部に委ねられる。圧倒的に多くの民間企業で見られる形態だ。

・多元型(グリーン)組織:多様性、平等、文化、コミュニティを重視する。権限委譲、多数のステークホルダーの視点を活かしたボトムアップの意思決定をよしとする。

進化型組織が従うパラダイムはマズローの「自己実現の欲求」に相当し、「統合的(インテグラル)」「進化型(ティール)」などと呼ばれる。多元型から進化型への移行が、人類の進化においてきわめて重要だと指摘する研究者もいる。
進化型組織のリーダーの多くは、自分の組織を「生命体」ととらえている。

進化型組織が開く突破口には3つある

1 自主経営(セルフ・マネジメント)」
大組織であっても、階層やコンセンサスに頼ることなく、仲間との関係性のなかで効果的に機能するシステムを指す。

2 全体性(ホールネス)
これまでの職場は人々に、狭義の「専門家」として強い意志や合理性を求め、情緒的・直感的・精神的な部分や弱さを隠すように強いてきた。一方、進化型組織では、人々の精神的な全体性が呼び起こされ、職場でも自分をさらけ出そうと思えるような慣行を一貫して実践している。また、同僚や組織、社会との一体感をもてる風土がある。

3 存在目的(Evolutionary purpose)
進化型組織は、組織自体が何のために存在し、将来どのような方向に向かうのかを常に追求し続けている。

進化型組織を新たにつくる、または既存の組織の変革をめざす際の必要条件は、次の2つ。

1 経営トップ(創業者、CEOなど)が進化型の世界観を養い、精神的な発達を遂げる必要がある。

・階層構造に基づく権限を放棄している。
・目標数値の設定も、予算の承認も、策定すべきトップダウンの戦略もない。
・倫理的リーダーシップを発揮し、進化型の組織構造と慣行のための空間を維持する。
・3つの突破口の行動の模範となる。
・トップが謙虚さや勇気、自分らしさを示し、弱さをさらすようにする=社員も同様のリスクをとりやすくなる。

2 組織のオーナーも進化型の世界観を理解し、受容することが求められる。

・投資家と取締役会が進化型の考え方の枠組みを共有する。
・重大な選択局面で取締役会は、トップダウンの命令や仕組みといった、一見合理的な方法で統制しようとする欲求を抑えなければならない。

参考画像
https://nol-blog.com/what_is_teal_organization/
https://seleck.cc/1291

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