「ディープラーニングはすでに枯れた技術」。Googleが公言するのは、ディープラーニングは目新しいものではない。「いまになって、一般企業が導入するかどうかで迷うなんて、論外だ。なぜ活用しないのか? だって、もう枯れ始めている(十分に使われている)技術なんだから」。
画像、音声などの非構造化データは、従来は自動判定が難しいものだったが、ディープラーニングにより、高い精度で自動的に判定できるようになり、ビジネスの現場でも活用され始めている。
小売店の例では、ディープラーニングで「顔データ」などの非構造化データの分析により来店客の属性だけでなく、店内のどこで立ち止まっているのか、どういった導線行動を取っているのかがわかる。そこから「買わなかった」理由を推定できる。
属性や導線行動の情報とPOSデータの「購買情報」を結びつけてみると、「このような導線行動を取った人は65%の確率で、こんな商品を買う」といった傾向がデータベース化されていく。それを解析することで、具体的な施策が立案できる。
小売業の来店客の導線行動を把握したり、人間の目視に頼っていた工場での不良品検査を自動化したりすることができるようになっている。さらには、データに基づいた仮説の検証、より精度の高い意思決定が可能となり、利益創出につながっていく。
AIは自社のボトルネックとなる経営課題を解決するために活用すべきである。そして、ディープラーニングにより集められた非構造化データ(画像、音声など)はAI導入によって、宝の山となる。
経験とカンだけに頼ることなく、ファクト・データをもとにした仮説の検証、施策の検討・立案が可能になる。