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小森哲郎著『企業変革の実務――いつ、何を、どの順番で行えば現場は動くか』 読了メモ(^_^)

平成→令和に入ってのお休みの間に時間かけて読んでたのがこれ。企業再生を15年にわたって手掛ける著者が、事業再建請負人(ターンアラウンドマネージャー)としての方法論をまとめ上げたもの。以下、要約。

「不振企業」と「冴えない企業」が目指すべきは、課題解決の仕組みが確立された「優れた企業」。企業変革は1~2年の間に達成する必要がある。

優れた成果を生む要因は3つ
1.業績志向でありながら、透明性が高く、顧客に向けてオープンな企業風土を有している。
2.日々のオペレーションでの優位性を有している。
3.環境変化に対応しうる、組織としての問題解決能力を備えている。

企業変革プログラムの策定は、企業診断し、変革の方向性を定めることからスタートする。そこから具体策に落とし込み、実施優先度を決め、中身を設計していく。

企業変革プログラムの設計手法はまず、全体変革のための青写真を描き、どういうタイミング・体制で施策を進めていくのかを決める。

青写真を描くためには、次の3つの要件から企業を診断する必要がある。

1つめの要件 「業績改善タスクリスト」
定量的および定性的な業績改善をしていくため、必要なタスクを施策候補リストとして抽出する。課題に対して、戦略やオペレーション、組織の棚卸しなどの改善タスクを定量的に特定していく。定性的な業務としては、企業としての行動や立ち居振る舞いの改善が挙げられる。

2つめの要件 「変革のリーダーシップ」
不振企業ではほぼ必ずリーダーシップに問題がある。組織上層部の人材の能力や考え方をしっかり見極めておかなければならない。
リーダーシップを取れる人材に関しては、どうすれば彼らが改革に向けて動き出すのかを理解することも大切。

3つ目の要件 「変革のエネルギー」
企業変革をするためには、2~3年の間にさまざまな施策を打ち続け、組織全体が悪循環や過去の惰性を払拭し、健全な状態になることに全精力を使わなければならない。

企業の診断を経て、変革の方向性をつくっていくが、そこでは3つの視点から検討するとよい。この段階ではまだ青写真だから、詳細は後で詰めていく。

1つめの視点「変革4要件のマネジメント」
一般的に変革成功には4つの要件がある。
「危機感」「目標・方向感」「担い手」「一貫した打ち手」が重要。

2つめの視点「変革メカニズム」
課題の性質を理解したうえで、その課題に取り組むリーダーやメンバーの力量やスタイルを理解し、「どんな体制で変革プログラムを遂行していくのか」を設計していく。

3つめの視点「変革の具体策」
企業変革の具体策の方向付けを、定量的な側面と定性的な側面の2つに分けて整理しておくことを指す。定量的な側面としては、目指すべき業績目標と達成するための施策をセットで捉える。定性的な側面の例としては、人事制度や教育プログラムをはじめとする人材開発システムなどが挙げられる。

企業変革において最も大事なのは、課題解決ガバナンスを機能させ、同時に変革プログラムの策定を行う最初の6カ月だ。

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