減量したいと思ったとき、「低脂質・低カロリーの食事」「食べる量を減らして運動」という対策が定番だが、著者によれば、これらの方法には科学的な根拠はなく、むしろ効果がないと証明されているという。
著者であるジェイソン・ファン氏はトロント在住の腎臓病の専門医。肥満自体を理解するための論理的な枠組みを紹介し、人間で実証されたデータだけを参照しているうえ、参照先のほとんどを査読付雑誌に掲載された論文に限っており説得力がある。
肥満のおよそ70%が遺伝によるものだ。残りの30%は自らコントロールできる。
肥満と摂取カロリーに相関関係はない。同様に、肥満と運動量にも相関関係はない。
食べ物を食べるとインスリンが分泌され、糖や脂肪の貯蔵が促される。逆に何も食べないときには、インスリンの分泌量は減り、糖や体脂肪が燃やされる。
肥満を防ぐには、食事を摂らない時間を長くしてインスリンの分泌を妨げること、すなわちファスティング(断食)を行うことが効果的だ。
太る原因をインスリンの過剰分泌であると定義し、インスリンを分泌する食べ物を避けること、インスリンの分泌間隔を調整することを肥満対策として提案している。
痩せねば!